同じ週刊文春に、私もたまたま見ていた2月5日(2013年)に放送されたフジテレビ系の
「全日本温泉宿アワード2013」という番組があったが、これが「やらせ」だったという告発が載っている。
生放送で視聴者による電話投票でナンバー1の温泉宿を決定するというものだが、
この制作過程で旅行評論家A氏は、制作会社から『やらせ』の依頼を受けたというのである。
制作会社からお薦めの温泉宿を教えてほしいといわれ、3件の宿を書いて返信したそうだ。
何度かやり取りをした後に「蟹御殿」というのを知っているかというメールがきた。
そこの紹介者になってほしいという内容だったので、行ったこともないし、聞いたこともないと返事をし、
その話はなくなった。
しかし、選考場面に出たカメラマンの立木寛彦はこう話している。
「最後に番組スタッフから台本を手渡され、この通り喋ってくれと言われた。
その時、初めて自分が蟹御殿(佐賀県・太良獄温泉)の推薦者になっていたことを知ったのです。
杉本(圭カメラマン=筆者注)さんは行ったことがあるとのことでしたが、私はありませんでした。
ただ、風景の素晴らしい温泉だとネットなどで知っていたので台本通り話しました。
正直、スタッフに騙されたという気持ちです」
蟹御殿は番組に登場することが決まっていて、推薦者を必死に探していたのであろう。
しかも、視聴者の推薦によって「日本一」を決めると謳っているのに、アナウンサーが
「蟹御殿に決定しました!」と発表するだけで、獲得投票数も発表されず2位以下の順位の発表もなかった。
イカサマではないかという声があがったのも無理からぬことであろう。
この蟹御殿は温泉が21度と低く、源泉掛け流しの湯と比べるといい湯だとはいえないと温泉評論家
の郡司勇がいっている。
テレビの効果は絶大で、蟹御殿は2か月先まで予約がいっぱいになっているそうだ。
フジテレビ側は当然ながら『やらせ』を否定しているが、これだけ批判が出ているのだから、
BPO(放送倫理・番組向上機構)で検証してもらったほうがいいのではないか。
こんなことをやっているとテレビ離れはますます進むはずだ。
http://www.j-cast.com/tv/2013/02/22166567.html?p=2